フリクリプログレ、ダメなとこありました?


フリクリプログレ良かったです。

旧作フリクリの「よくわかんないけどなんか気持ちいい」MVがしっかり生きてました。

しがらみとか怖さとか、マミ美とかナオ太くんとかタスク先輩とか、人間関係の黒い部分はほんの僅かでしたが、その代わりに、10代の素直な恋愛熱と、絡みそうでまるで絡まない事件が交互に来て、ノリの良い青春映画として爽快感を伴って成立してます。

試験的で尖ってて面白い映像演出もあり、何回か刺さるものがありました。あれだけでもフリクリ好きにはたまらないはず。
(何よりpillowsが大音量で聞けるの何曲も!)

今回私がフリクリプログレについて色々書くのは、好きな部類に入るこの作品の、どこが雑だったか、魅力を引き出せなかったかを探索、深堀りして、旧作無印のフリクリ比較も含めて整理して、もっと面白いの作る糧とするためです。
ここがもったいないよプログレは!にお気づきの方は、コメントいただけると幸いです。

吐き出すことが色々ありはしますが、さてどうやってまとめていきましょうか。
(いいやどうせまとまらないワ)



第1話ですが、私にはかなりクオリティが高いように見えました。
正直1話だけなら、ぶっ飛びすぎて観る人置いてけぼりの旧作1話より良くできていたのではないかと。今のアニメ制作劣悪環境時代にこのレベルが実現したことにガクブルです。

結構詰め込んで時に情報過多感もあって、あれにはもう口出しできないなと、あのレベルを私の方でも作れたらと憧れます。


適当な順番でキャラクター追ってきます。

まずは「いらない」「不快」言われてる、男の子の友人2人、のうち1人目、森。

ユニジェンダー主張してミニスカート履いちゃう太めの男の子。彼女欲しいという願望はあってもどうしたらいいのかわからないから、ひたすら変な方へ行ってしまう。初登場の時点でその末期であることが分かります。

男の子の友人2人目、長身で少し黒い肌のマルコは、感情豊かで素直な男の子。人を疑うこともないから怖い目に合う、でも気づきもしないし変わろうとも思わない。

この2人は主人公たちのトラブルをすぐそばで目の当たりにして、でも終始蚊帳の外でした。森が青春真っ盛りなメインの2人に憧れ劣等感募らせるのに対し、マルコは2人を景色として捉えているのか、素直な印象を一言口にして終わり、後に残るものはなかった様子です。

キャラクターに魅力がない、そんな声がちらほら出てますが、キャラクターに魅力はあったように見えます。2人の印象を抑えたのは、演出によるものではないでしょうか。
少なくとも2人の視点がそれぞれに続く時間は、あの作品では1つの味になってました。
それに、彼らがもっと魅力的に映ってしまったら、主人公たちの魅力が弱いからアレしちゃうんです。
そういった意味では、男の子2人の魅力が実は演出によって調整されたものだったとしても、不思議ではありません。

で、そんな2人の友達(ということになってる)井出君、メインキャラクターです。
制服着てるからパッと見は軽い調子の高校生ですが、実はスラム街のぼろ家に住んで、肉体労働によって日銭を稼いでる様子でした。肉体労働してるから実はムキムキ!という設定もあるにはあるのですが、その貧しさ、苦しみが、井出君からは一切出てこない上、物語に絡むことはありません。男友達の森がかなり裕福な描写がありましたので、対比して何かやるのかと思ったらそれもなく。。

メインキャラクターの設定すら、無くても物語に一切影響しない、無意味な記号で終わってます。


どうして井出君はあそこまで頑張るのか、あれだけの肉体労働もただ生活のためだと、森が明言してます。もう少し探ってみようとすると、井出君の目標というか、やりたいことについては、その辺の石を5ミリ玉に加工して、それを撃ちだすメカを作ってましたので、そっち方面で何かあったかもしれません。

一応勤労少年ということで親近感を持つ方は一定数いたのでしょうが、あれ以降一度も目標としてとれる描写もありませんでした。そうなるともう、全部ただのネタです。井出君の設定に意味はありません。

井出君が何度もヒドミを助けようと奮闘するシーンがあります。鼻血吹いたり倒れたりする女の子のヒドミを、ロボットがドンパチやってる中恐れもせず飛び込んでいきます。マンガ読みすぎアニメ見過ぎで感覚麻痺して気づきませんでしたが、か弱い女の子を非力な男が後先考えず助けに行く、なんて、ヒーローじゃないですか。

このヒーロー演出はナオ太にもありましたが、井出君はちょっと強すぎました。これが井出君を、他作品でもよく見かける男の子主人公にしてしまってます。せめて個性があれば違うと主張できるのに、どっかで見たことある主人公なんて、絶対埋もれてしまう。差別化して練り上げてほしかったです。

その井出君が助けようとする女の子がヒドミで、いつもヘッドホンしてるから、いろんなことを聞かずに、聞こえないふりもしやすい。でも基本的にはちゃんと返事してる女の子でした。

たぶん、挨拶されて本当に返事しなかったら、普通に「嫌な奴」に見えますから、ヘイト貯めないように返事させたように思います。あれって本当は、返事とか一切させたくなかったのではないでしょうか。誰に何言われてもいや聞こえませんって通そうとする、最初はそういうキャラクターを描きたかったけど、流石にヘイト高すぎるから無視する描写はごっそり削ったような。

一応頭から何かしら出してフリクリ的な箔付けもされてましたが、じゃあヒドミは結局何だったのでしょうか。

いつも一人で大人しくて、可愛くて黒髪でロングで、まさに男の描く女の子。ヒドミというキャラクターはそれだけです。


。。。
ヒドミがなんでヘッドホンをつけてるかとか、深堀してみた結果、以下のものが出てきましたが、結局解決されずにスルーされてましたので、お暇でしたら後で読んでください。
。。。


前面に押し出された振る舞いの理由は、並行世界での自分に振りかかるあらゆるものが、今生きてる世界の自分に振りかかることのないよう抵抗してる、ととれますが、理由がファンタジー過ぎて、あれに素直に共感、許容できるのは小学生ぐらいでしょうか。

ナオ太がバット振らない理由とか、マミ美がナオ太にベタベタする理由とか、リアリティの強い旧作と比べると、どうしても刺さってきません。
共感できないし共感したくなる魅力もなく、正直どうでもよくなってしまいます。

おそらく制作側は、ヒドミの行動理由なんてどうでもいいのだと思います。ただ巻き込まれて頭からいろいろだして、夢のような平行世界で試験的映像演出がやれて、最後はお母さんと会話して、井出君のために戦って。それがプログレのヒドミの役割、それだけでよかったのかと。

旧作の、ハル子が象徴するあらゆる事件が、拗れて蓋された人間らしい部分に、どうしようもなく変化のきっかけを与える話とか、プログレはそもそもやろうとしてません。

尺の都合でカットということはないでしょう。物語に絡まないネタを半分カットして、空いた隙間にキーワードさえ詰め込んでおけば、あとは勝手に見る人が拾ってくれます。ので、暗い部分、重い部分はできるだけカットして、より頭空っぽに、よりすっきりできるMVを目指したんだと思います。

ヒドミ唯一の罪悪感は、井出君を人間でなくしてしまったとこ。ナオ太のような街壊しちゃうの気にしてる描写とかは一切なくて、あくまで井出君に対してのみ。2人メインだからいいんでしょうけど私はもっと欲しいのです!

ヘッドホンのせいでヒドミがガラッと変わるシーンがありました。あれは並行世界のヒドミに入れ変わったようでしたが、いくつかの並行世界のうち、好きな描写がありました。
並行世界だけでなく、後半に集中してた気がしますが、面白い発想の映像がチラチラ見れてかなり楽しめました。水彩のような、油絵のような、あのシーンはヒドミが可愛い!ぬるぬる動いて作画も安定してるので何度も見たくなります。

並行世界ではロボットになったりゾンビになったり、いろいろな世界にいろいろなヒドミがいましたが、ゾンビ世界はB級映画の見すぎですね。爆発やロボットが戦ってるのもそうなんですが、そもそも突拍子もない衝撃映像は、喰いつきいいものの、しょうもない客寄せ行為です。やればやるほど見てる側は冷めていくのが普通です。

そうならないために説得力を持たせるのが、演出であり映像美であり設定であり脚本です。

旧作でも衝撃映像はたくさんありましたが、プログレのように、戦ってるシーンで作画が安定しなくなったり、別世界でいたずらにゾンビが共食いしあうような余所事感、雑さはありませんでした。

怖さの演出ですが、「怖い」が蔓延する物語では「怖い」が普通になってしまい、どんどんしりすぼみに衝撃が弱くなってしまいます。
対して、リアルな日常風景に突然侵入してくる恐怖は、日常風景が長ければ長いほど、衝撃は強くなります。同じゾンビ映像でも、見てる側をより魅了するのは、ナオ太のお父さんがゾンビのような振る舞いをする旧作に軍配が上がります。身内が突然壊れる恐怖と相まって、衝撃の強さが圧倒的です。

いたずらにゾンビが共食いする演出をヨシ!とする方って、ゾンビさいこー言ってイキってる小中学生かと思います。そういう大人もいたりしますが、子供騙しで喜んでるイタい人じゃないですか。同じ理由でホラーもゾンビものも嫌いな私です。
でもプログレはもしかしたら、旧作みたいに怖くなりすぎないように調整したのかもしれません。

ヒドミのお母さんですが、お母さんになろうと明るく振る舞ってました。
それを無視したがる年頃のヒドミにも、めげずに話しかけ続ける姿は、プログレでは1番光ってるように見えました。唯一まともに憧れる、尊敬できるキャラクターです。

内容とか伝え方を見てみると、プログレはお母さんの愛情、家族愛を1番強く出したかったのでしょうか。私はそれはそれでありだと思います。

ハル子に行きましょう。プログレはハル子の物語という声があります。
ハル子に人の弱さを与えて、二律背反の思いを描くために、序盤でハル子とジンユを分裂させました。さらっと雑に表現するならハル子は過激派、ジンユは穏健派です。

旧作ではマミ美とかナオ太くんとかニナモとか、主軸はあくまでハル子以外で、ハル子はあくまで嵐とか台風とか、急に入ってきてかき乱して、半ば無理やりに、閉じてホコリかぶってる蓋を開けさせる存在でした。
どっちかっていうと真っすぐ走り抜けてくハル子が、周りに振りまくエネルギーとか影響とかに魅力が大きかったので、だからあまり、ハル子を深掘りしたところで私は全然興味ない。。ううん。。

ハル子を深掘りして欲しい人もいたのでしょうが、そのせいでヒドミや井出君にあまり好きになれる描写がなく、裏に隠れた感情とか思いとか、見出そうとするならもはや創作になってしまうレベルでぺらっぺらになっています。

作画の崩壊がひどくて見てられないとことかありましたけど、何よりプログレで一番がっかりしたのはハル子の笑顔でしょうか。

貞本さんの描くハル子の笑顔が旧フリクリではめちゃくちゃ印象的でしたが、作監のせいなのか、とある回のハル子の笑顔は終始丸くなりすぎて、というか下手で、趣味で同人誌描いてます人気はないけどくらいの魅力ゼロの笑顔になってました。(自分に300のダメージ!)

あそこまではっきり作画変えられると、あの笑顔を描いた人は貞本さんの作画よりも自分の描く笑顔の方がいいって思っていたのでしょうか。描けないなりに自分作画で頑張ったのか、貞本さんの作画よりもいいと思って描いたのか。私の作画の方がいい!って通しに行けるものではなかったので、締め切り守るため仕方なくでしょうが。
(今の制作環境は締め切り第1だから責められませんが、食ってくための仕事って安物で溢れてくから嫌いです)

あの回はすっごいつたない笑顔が永久に続いてしまって、何度か目を背けてしまいました。

ハル子がメディカルメカニカの名前だして、ニッと笑うシーンありましたね。

あれなんで笑わせたんでしょう。

MMは敵ですよ?強いやつと戦える!的な?でもハル子って悟空キャラじゃないです。
MMは結構な頻度で苦戦するレベルの敵です。長い付き合いの仇敵とかいるわけでもないし、ここでは勝てる算段も整ってません。のに、MMの名前出して笑ってます。
は?てなるじゃないですか。ほんと何を根拠に笑わせたのかわかりません。(教えてわかる人ー!)

ジンユ行きましょう、ハル子と同業者のような立ち位置の。

最初は、ハル子が分裂して、人格も何もかも与えられてジンユが生まれた、という荒唐無稽な表現かと思いましたが、もっと自然な流れとしていきついたのは、もともと2人だったという仮説です。2人は協力するために一時的に1人になっていて、分裂は、ハル子とジンユの合体が解けただけと考えられます。ジンユはよく覚えてないのですが、分裂した後、ハル子は驚いている様子でした。これは、ハル子の意図に反して分裂したせいと推測します。ハル子とジンユの対立が、合体を維持できなくなったか、ジンユが一方的に解消したか。そんな仮説。

「彼はそんなこと思ってない」とかなんとか、ジンユのアトムスク理論がハル子の琴線に触れて喧嘩になってましたが、ジンユとハル子の対立はハル子の掘り下げが目的です。
(いくら派手に戦っても、ハル子の人間味に興味ない私は次のシーンまだかなって観てました)

ジンユの主張ってハル子よりアトムスクに近づいてから言うべきことで、上から目線とういか、あれではズレた大人の説教というか。
できないくせに分かった風すぎてウザい印象を受けました。(自分に7000のダメージ!)

あんまりカッコいい人ではないですよねジンユって。
井出君とか焚き付けて頑張らせたみたいなシーンはありましたけど、あんまり尊敬できる描写もないうちに「私の方がわかってるんだ」みたいなこと言われても、あなたがそれを言ってもなんだか小鳥のさえずりねあらカワイイ思うんです。
そうならないように表現してほしかったです。

最後では、ジンユがハル子を抱擁するシーンでは、すごい「いいよ、、許すよ、、」みたいな、優しい笑顔で何も言わずにハル子を慰めてましたが、正直、
「ええええうそーほんとー?うそだー」と。。。

リアルでいますけどね、ジンユみたいな人。うるせえ行動で示せ!といいたい。()

ジンユすっごい嫌いですね、びっくりです。

旧作では、ほぼ全員が先のこと何も分からないまま、自分の欲しいもの追いかけたり誰かを守ったりってのを、そのあと何がどうなっていくかはわからないけど、そろぞれが目的のためにとりあえず頑張ってるような、みんなそんなポジションだった気がします。

だからジンユのような、やりたいことやってる人に水差すキャラクターは、いらなかったかなと、そんなふうに思います。

ジンユについて書きたいことは書けたかな。

アイコはぁ、うん、悪くもなく良くもなく。
人間じゃないから人間関係とかないんですよね、そこは私掘り下げる気にならないです。
質問が来たら答えます。

次。

キャラクターはこんなところでしょうか。
そう、pillowsの曲流れてるとこでガチで許容しちゃいけないやつありました。

曲に爆発SEとかセリフとか被せるのは、アニメ映画だから目をつぶってもらってますが、車のボディ引っ掻いてわざと不快音入れてるシーン、アレまずいです。

曲が不快だったかのように、観てた人を洗脳してしまう可能性あります。
これはまじめな話で、あのシーンだけは本当に作り直しを要求します。
pillowsに対してとんでもないネガキャンになってます。

他にも、ジンユのセリフでサ行辺りが女性の悲鳴レベルの高音になってて、めっちゃ不快だったのですが、そんなのより車のボディ引っ掻くシーンは本当にまずいです。意図して不快な音を、こともあろうに人様の曲にかぶせて入れてます。

最後に、致命的なところかもしれませんが、プログレが終始恋愛青春ものすぎて、バトルシーンの盛り上がりに欠けてました。

戦ってるところに乗り切れない、といった方がいいでしょうか。

頭から出てくるロボットの姿形が様々で、基本は敵ですが、味方になったり、途中から敵になったりします。敵も味方もない混戦状態になってるとこもあったり。
カンチやハル子が主だって戦っていた、旧作のような敵味方の分かりやすさがありません。ハル子ががっつり追い込まれるほどの強敵に、次はカンチが挑むようなシーソー演出もなく、ハル子が敵になってとジンユと戦ったときは、ジンユが負けると何がまずいのかわかりにくくて、どっちが勝とうがどうでもよくなってしまったり。

せっかくのバトルシーンでどれだけ映像綺麗でもどれだけ音響かせても、戦いの目的が浅かったりして冷めるアニメっていっぱいあるじゃないですか。まさにそれです。

だからそういった点はもうちょっと熱のある目的で演出してもよかったのではと。

井出君への好きでヒドミが頑張ってるのとかも、一応ありましたけど、女の子がケンカしてるんですもん「ん?」てなります。

女の子が頑張りすぎちゃってるから入れない感じでしょうか。今の時代に何言ってるんだと言われてしまいそうですが、いうても殴り合いですから、女の子に頑張ってほしくないです。

他の男性層の意見はちょっと聞いてみないとわかりませんね、女性層から見た場合もどうなんでしょうか。好きな男の子がいてその子のためにケンカする女の子、共感できるものなんでしょうか。


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