【6位】パラサイト半地下の家族【感想】


 アカデミー賞受賞と聞いて観てきましたが、正直物足りないところもあります。前半のコメディ調から後半で一転、韓国の社会背景から描かれたエグい演出の数々は、盛られた部分もあれど、私の大好物です。

 「匂い」をキーに据える演出が素敵です。早々に半地下を出るか、ファブリーズでも使っていればまた、父親の結末は変わっていたかもしれません。

 設定の疑問、「そんな生活バレないわけがない」はまあスルーして、特に事実なのか気になったのは、半地下の設備事情。東京なら機能差でああはならないのですが、調べたら韓国は本当にあるらしい。設備強化でも法規制でも、感染症の温床にならないよう国が動くべきところ。貧乏人は鼠と同じ扱いなのでしょうか、人権軽視は明白です。

 両親はどうして半地下に暮らし始めたのか?
 子供たちは幼少をどのように過ごしていたのか?
 おそらく韓国の方が観ると違うのでしょう、私にはどうしてもツギハギの家族のように見えてしまって、さっぱりでした。

 主人公の変化は目まぐるしく、それらの演出はどれも光っていました。社会的成功を象徴する石を手放せず、震えながら家族を巻き込んだ責任を負おうとして、最後は身の回りの他者の滑稽さに気づき笑い続ける。

 同じくアカデミー賞受賞が予想されたジョーカーが、きっかけも含めて記号の羅列のように感じられるのに対し、パラサイトは、フィクションがありながらも「割といる」人の苦しみの中で悟り、熱を失っていきます。
 貧困に生きた主人公を描いたこの2作品であれば、パラサイトのアカデミー賞受賞に異論はありません。


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