【選外】フリクリオルタナティブ【感想】


 どの辺がオルタナなんでしょう、よくある青春映画ができてました。
 旧フリクリの大事な部分、個性は欠けてしまってます。残念な結果ですが、旧フリクリが大好物である私の「こうあってほしかった」をひたすら羅列します。


 私の思う旧フリクリの大事な部分で、表現されてなかったのは以下です。
  ・ナオ太の暴力(罪悪感)
  ・ハル子
  ・カンチ
  ・マミミ
  ・バトルあとの喪失、変化
  ・何度も見直したくなる情報量、演出

 別のキャラクターだったりが出てきて、別エピソードで表現してほしかったのですが、予想通り、やってくれませんでした。


■ハル子

 ヒジリのエピソードの最後では、ヘイトの貯まった大学生をハル子が殴りましたが、ハル子らしくないと感じました。制裁ポジではないはず。

 ハル子が別人になっている表現については、語る量もそうです。サイコで美人なハル子が多くを語ってしまったら、途端にただのおっさんになってしまいました。

 あれはハル子の言葉ではなく、話考えてる人の、おっさんの言葉、それがもろに出すぎです。

 そうやってハル子を殺してしまってはやはりオルタナはフリクリではない気がします。

 ラストではハル子が巻き込まれ感全開でした。
 プログレに続くための演出だったのでしょうが、それにしてもハル子らしくない、なさすぎる。1回ぐらいあり?う~ん。。。


■まじでまじで

 絶対流行らねぇ。
 そういうのいれるならもっとちゃんと狙って欲しかったです。もしくは、時代設定が90年代なんでしょうか?90年代設定だから、言葉の流行を表現したのでしょうか?現代では、流行の発信源がTV一強でないため、よほど当たらないと言葉が流行ることはありません。
 正直、制作側の感覚が古くなっていると感じました。


■男子高校生らのヒジリー信仰

 中坊でやってても許されるかどうか、怪しいです。
 今の高校生でやる人いないと思います。「ヒジリーは美人で人気がある」体で話が進みましたが、それを表す表現が少なかったように思えます。
 大学生がファッションで付き合っていたのと、カナグループとクラスの男子ぐらいしか沸いてないように見えましたが、それだとおそらく信仰の域に達することはないはず。
 要するに、信仰者多数で成立する還せコール演出が破綻してます。


■ロボットバトルとカンチについて少し

 ロボットとたたかって爆発してるとこしかやれてない。アクションも爆発も、いくらでも映像化された作品があり、その映像の迫力で言ったら旧フリクリは昨今のアクション作品に及ばないものになります。

 オルタナのアクションはというと、旧フリクリより劣ってます。

 単純に殺陣や枚数もそうですが、致命的に、カンチのようなヒーローが出てこないため、爽快感がまるでなくなってます。


■シリアスについて

青春ものかつ女子高生4人がメインの時点で、身動き取りづらいのはわかりますが、人間の怖いところをもっと表現してほしかったです。
(トモミのお母さん程度では弱すぎです、しかも雑)


■モッさんの服

 ハル子がモッさんの服着て歩いて会場が盛り上がってましたあのパリコレな服。

 好み云々じゃないんです。
 あれは変なんです。ダサいんです。

 ファッション業界であれがアリなのはファッション業界の暗黒面が大きく影響しています。
 迷走しまくった自称芸術家どもが生活のために駄作を芸術と騙ってそれをみんなで持ち上げた結果ダサいのに「いいもの」になるんです。お願いだからフィルター外して。


■メディカルメカニカの設定ついて

 作中で語らせてましたが、正直語る必要はなかったと考えます。
 旧作で既に必要分が語られてることを置いても、新しく見る人にとって、「なんで?」があったままの方がミステリアスで楽しめると思います。

 間を繋ぐために(他に何も思いつかなかったから)語らせたのかと、邪推してしまいます。


■メインのカナ

 カナを友情推しにするなら、女子高生4人がくっついている根拠が欲しかったです。
 ちいさなトラブルでたまたま一緒になってそこからでもなんでも。あの4人ではまず自然には群れません。話考えてる人がとりあえずくっつけた感じ。違和感すごい。

 また、ただなんとなく一緒にいるだけでは友情なんて芽生えないのが現実で、それが芽生えるだけのエピソードを作中でしっかり表現できていれば、共感できたかもしれません。
 なぜそうまで友情推しなのか、わからなかったです。最後はただただカナが叫んでいるだけで、置いてかれてしまいました。


■全体的に

 フリクリがなんで海外で人気だったか、研究が足りてません。
 確かにナオ太の暴力もハル子のサイコもマミミも、あの時代だから斬新でした、ウケました。今更それらを踏襲したところでよくないのはわかりますが、超える気があったのか疑問に思います。

 予算の都合上仕方がなかったと、食ってくためだからと、そんな環境が悪かったと、そうやって諦めることしかできません。


■最後に、ラストの謎演出について

 オルタナでわからなかった演出があります。私にとっては非常に難解でした。

 ラストにカナがなんやかんやえぬおーなんたらまじっくきらきらぱわーで地球から火星へ帳尻合わせ等もろもろべらべら解決してくれたのはわかるのですが、

 革靴が綺麗になってたことだけは示唆するものが見えませんでした。

 心がキレイになりましたわだかまりとれましたあーすっきり的演出でしょうか?でもカナはもともと、思ったらすぐ行動できる元気なキャラクターで、ハル子が咎めるような遠慮は全然見えませんでしたし、とれたね!みたいな演出をここで持ってくるのはズレを感じます。
(そもそもカナは溢れるタイプ、頭から何か出すタイプに見えないんです)

 私はむしろ汚い靴履いてる人の方が人生生きてるって感じで好きですので、綺麗な靴から少し汚れるくらいがいいのではと思いましたが、最後革靴キレイにしちゃってこれ何を意図した表現なのか教えてわかるひとー!
(それっぽい思い付き・考察でも可)



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